温泉に浸かりながら、目の前に広がる越前蟹の漁場を眺めていると、夕食の時間が待ち遠しい。ここ三国の蟹は、
皇室献上蟹の産地にも指定され、数あるずわい蟹の中でも頂点に君臨する蟹だ。
食事は部屋食なので寛いで食べることができる。仲居さんが付いて、料理の説明や近辺の話しをしてくれるので、
俄三国通気取りになれるのだ...。
手書の献立で期待感が更に高揚する。
〈食前酒〉
黒龍ひやおろし
コクがある甘口の酒。日本酒としては度数が高くトロッとしている。
〈先付〉
鱈白子柚子釜
鱈白子といえば北海道が本家だけど、こちらも旨い。
〈八寸〉
からすみ大根 巻海老 小茄子田楽 むかご 京蕪寿し
〈向付〉
鮪 烏賊 甘海老 うに
〈蟹〉
せいこ蟹
金沢では香箱蟹と呼ばれるずわい蟹の雌。雄に比べて身は小さいが、たっぷりと抱えた外子と内子が美味しい。
この後、始まる越前蟹の露払い...。
先ずは刺身から。甘さ、香り、食感ともに今迄食べた蟹刺しを凌駕する旨さ。
炭で焼いてくれる焼蟹。食べ頃は仲居さんの指示で。
殻と味噌の焼ける芳ばしい香りが立ち込める。たまらず日本酒を追加注文。
「そろそろ茹でにいきますか?」と仲居さん。出てきたのは巨大な越前蟹。
甲羅に付いているのはカニビルの卵。見栄えは...だが北陸の日本海特有のもので外国産や北海道産には見られ
ないのだとか。これが沢山付いていると、脱皮から時間が経っているので身が詰まっている証になるんだそうだ。
大体20年位のモノらしい。「毎年漁をしているのに今日まで生き延びてきたんですねぇ」と仲居さんも楽しそう。
熱々の茹蟹を手際よく捌いてくれる。パッキッと身を割ると湯気と共に甘い香りが立ち昇る。
味の方は...あらゆる形容詞を並べたところで表現できない。語彙が乏しくて^^;
お凌ぎの越前おろしそば。
福井で蕎麦と言うとおろしそばを指すらしい。
芳醇な鰹出汁に辛大根で、すっきりと。
〆はお約束の蟹御飯。
ここまで来ると可也の満腹状態だが、二合を完食してしまう。
ゆうに3時間を越える蟹尽くしで大満足の三国の夜。
一休みして潮騒の露天風呂でまどろむ。
●●●DATA
三国温泉 料理旅館 望洋楼
〔adress〕越前加賀海岸国定公園 福井県坂井市三国町米ケ脇
〔phone〕0776-82-0067
〔Homepage〕望洋楼
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